睡眠時無呼吸症候群とは、主に睡眠中に空気の通り道が狭くなることによって無呼吸状態(10秒以上呼吸が止まること)を繰り返す病気のことです。睡眠中の無呼吸やいびきによって良質な睡眠が妨げられ、日中の眠気による事故などにつながることがあります。睡眠中に体内の酸素不足になることで全身のさまざまな部位に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病、高血圧など全身の合併症を引き起こしやすくなります。
ご家族から大きないびきと無呼吸を指摘されたり、朝の強い倦怠感や頭痛、日中の眠気を感じたりしたら、是非当院に受診してください。
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まず一般診察を行います。
睡眠時無呼吸症候群はほとんど気道閉塞に伴うものであり、鼻腔の通り、咽喉頭の形状をまず内視鏡検査にて肥厚性鼻炎、鼻茸、鼻中隔湾曲症、アデノイド増殖症、扁桃肥大、咽喉頭腫瘍や奇形などの有無から確認します。
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簡易睡眠検査(簡易アプノモニター)を行います。検査機器をご自宅まで郵送します。
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簡易睡眠検査では、睡眠時無呼吸の重症度を表すAHI(無呼吸低呼吸指数)の数値が15回/時間以上40回/時間未満であれば、ポリソムノグラフイー(PSG)という精密検査を行います。
本来なら、PSGは入院にて行う検査ですが、当院では自宅で行えるPSGを導入しています。
検査機器をご自宅まで郵送します。
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閉塞した気道は持続陽圧をかけることにより広げられ、呼吸はスムーズになります。
それに伴い、無呼吸は改善されます。
簡易検査ではAHI 40回/時間以上、PSG検査ではAHI 20回/時間以上であれば保険適応になります。
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下顎を前方に突き出した状態で、上下の顎を固定して気道を確保する、マウスピース(スリープスプリント)による治療です。
適応は軽症睡眠時無呼吸症候群です。
マウスピースを作成するために歯科へ紹介します。
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肥厚性鼻炎による鼻閉がひどい場合、当院では鼻レーザー手術を行っています。
鼻中隔湾曲症や鼻茸、副鼻腔炎、扁桃肥大、アデノイド増殖症(小児は特に多い)を認めた場合、重症度により適応があれば、手術可能な施設に紹介します。
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肥満による首周囲の脂肪は仰向けになる時に気道を圧迫するため、気道閉塞をおこします。
食生活の改善や運動習慣の定着を指導します。
基本は月一回の通院が必要です。
何か問題があれば、受診の際担当医に相談してください。